セルフキャリアドック制度を後押しするのはなんでか?

セルフキャリアドック制度を国はだいぶ押しています。ここにきてキャリアコンサルタントを量産して何の目的なのかな、と考えてしまうのはキャリアコンサルタントの僕だけではないでしょう。

どんなことを考えて国はセルフキャリアドック制度を後押ししているのか、僕なりに少し考えてみようと思います。一応断っておくと、国で働いている方たちはやっぱり頭が良いので様々なことを網羅的に且つ論理的に検討した上で、リスクを最小にする選択肢を選んでいます。一般人の僕のような人間の推論はただの邪推になるかもしれないです。と、予め、ことわりを入れておいたりして。

1. 自己責任な社会の出現

年功序列や終身雇用の崩壊等を背景に、自分の人生に対する責任、という概念がこのところ前面に出てきているような気がします。

どういうことかというと、
各自が自律的に、自主的に物事を選択して、行動する。自分のキャリアや多くのことを自分事として捉えなければいけないよ。」
といわれているような社会がいつにもまして出現しているのではないかと思うのです。

自分の責任をしっかり持たせる社会を目指す風潮とでも言うのかもしれません。

上述の通り、そもそもその背景には年功序列や終身雇用の崩壊がありそうです。もう組織として個人の人生を見ていることができなくなった社会ができあがってきている、ということなのかもしれません。もしくは、グローバル化が叫ばれている昨今、海外で生活した経験から日本独自の知見とは一つ違った自立した人が増えてきたということなのかもしれないです。

ただ、社会がどのようになっていても自立的に自分のキャリアを構築する術をしらない人たちは一定数いるのは確実でしょう。そして国はその数は増えていくと予想しているのではないでしょうか。

そうすると、セルフキャリアドック制度を利用して企業にいるときに自律的なキャリアを歩ませる方向で制度を作っていく、という方向性を国が持つのも普通の話かな、と思っております。

2. キャリアコンサルタントと接触する機会が少ない

自立的にキャリアを構築できる人を前提としている転職市場が活況なのは10年たったかたたないかだと思います。そんな中、多くの人が自己責任でキャリアを構築しないといけない社会が出来上がり始めると、国としては個人のキャリアについて総合的に相談できる窓口を作って、その裾野を広げないとマズいなぁ、となってきたのではないかと推測します。

転職エージェントは多くの(資格を持っているか持っていないかは別として)キャリアコンサルタントを擁していますが、そういったエージェントが対応するのはコンサルファームだったり、ある程度資本を持った大きな会社での話でしょう。

日本の会社の多くが中小企業なのに、そういった転職エージェントは中小企業向けではない。となると中小企業に対応できるようなキャリアコンサルタントの養成が急務であると思うのです。
特に地方では必要なのではないかと考えます。地方は中小企業が多く、キャリアの相談窓口も少ない現状があります。国がキャリアコンサルティングの裾を広げるようにするといういみで、セルフキャリアドック制度設定した、とも言えるのではないかと思います。

3. 企業に人材が定着しない

企業に人材が定着しない、ということは裏を返すと転職市場がやはり活況である、といえるのかもしれません。ただ、キャリアをしっかり見極めた転職ではなく、マイナスな転職、いわゆる「ヤダからやめた」とか「思っていた仕事と違った」とか「このままじゃいけない」とか、そいういうミスマッチな転職って多いでしょう。また、人生楽な方、楽な方に進んでいくという転職の仕方をされる方も一定数いらっしゃいます。

となると、キャリアコンサルタントが一度話を聞いて、実は職を変えるだけが全てではない、という解決策を本人の中から見出してみる、という場面が重要になる、と考えられます。これはセルフキャリアドック制度で会社にいるうちにキャリアコンサルタントに話を聞かせて個人のキャリアを考えていって離職を防ぐ、という定着の側面があると思います。

とくに、ある日突然「このままじゃいけない!」と転職を決めようとしている方は、何がこのままじゃいけないのか、実はぼんやりしていてあまり明確ではない状態であることが多いと感じます。こういうときに定着のためのキャリアコンサルティングは役に立つのではないでしょうか。

んで一体何?

つらつらと書きましたが、何にせよこのセルフキャリアドック制度、みんな「自主的、自律的、自分で選択する」という独り立ちしないといけない社会が構築されてきている中で、他者依存では大変になってしまう。その前に自主性をつけたりしてなんとかしないといけないよ、と国が個人に対して行っているある種の救済策なのかな、なんても思ったりします。

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